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引き直し計算とは

任意整理の疑問
任意整理の際には、利息制限法に基づいた引き直し計算が用いられるようですが、この引き直し計算とは何ですか?
引き直し計算という言葉くらいは知っていても、その具体的な計算方法について把握しているという方は少ないかもしれません。

しかし、利息制限法に基づく引き直し計算は、債務整理のプロである弁護士や司法書士が貸金業者と交渉する際に活用する最もポピュラーな借金減額法のひとつなので、任意整理や特定調停などの債務整理を検討している方は、その計算方法について理解を深めておくとよいでしょう。

任意整理の際、利息制限法に基づく引き直し計算が行われるのは、ひとえに〝借金の減額〟に他なりませんが、ではなぜ、この引き直し計算をすると借金が減るのかについて、簡単にご説明しましょう。

貸金業者が消費者に貸し付けたお金の金利に関するルールは「利息制限法」と「出資法」という法律で定めています。

ところが、これまで両者の法律で規定している上限金利が異なっていたため、貸金業者は少しでも利益を増やそうと、上限金利がより高く設定してあり、かつ、罰則が設けられている出資法の金利(いわゆるグレーゾーン)内で貸付を行っていたというのが実情でした。
利息制限法の上限金利
しかし、現在は利息制限法の上限金利を超える利息分については、原則、無効であるとの考え(あるいは判例)が主流であるため、債務者が任意整理を行う際には、利息制限法に基づいた金利での計算をし直し、借金の返済額を改めて算出してから貸金業者と交渉に臨むのが一般的です。

ただし、この引き直し計算が役に立つのは、概ね5年以上の長期に渡って利息制限法の上限金利を大幅に超える貸付を行っていた消費者金融系の業者(いわゆるサラ金)であって、利息制限法の上限金利内での貸付を行っている銀行系ローンにあっては、借金の大幅な減額はあまり期待できません。

なお、利息制限法の詳細や、具体的な計算方法については、利息制限法とは?グレーゾーン金利のカラクリを知ろうをご覧下さい。





みなし弁済とは

任意整理の疑問
貸金業者に利息制限法に基づく返済案を主張したら、「みなし弁済規定があるから借金の減額は認められない!」と断られました。業者の主張は正しいのでしょうか?
大半の消費者金融(俗にサラ金、街金などと呼ばれる業者)業者は、これまで利息制限法の上限金利をはるかに上回る金利で貸付を行っていました。

そのため、利息制限法の上限金利を超える利息分については、原則、無効であることから、任意整理等の債務整理を行う際には、引き直し計算により借金の減額が期待できます。

ところが、法律には〝例外〟が付きものです。

確かに旧貸金業規制法第43条には、次のような規定がありました。
① 貸金業者が業として行う金銭を目的とする消費貸借上の利息(利息制限法(昭和29年法律第100号)第3条の規定により利息とみなされるものを含む。)の契約に基づき、債務者が利息として任意に支払つた金銭の額が、同法第1条第1項に定める利息の制限額を超える場合において、その支払が次の各号に該当するときは、当該超過部分の支払は、同項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなす

【旧 貸金業規制法第43条1項より一部抜粋】
つまり、一定の条件を満たしている貸金業者との契約については、利息制限法の上限金利を越えた利息分の支払いも有効なものとしてみなしますよ!ということです。

これが、いわゆる〝みなし弁済〟規定と呼ばれるものですが、業者はこの条文を理由に、あなたの返済案を拒んでいると考えられます。

しかし、業者がみなし弁済を主張してきたからと言って、債務者が素直に従う必要はありません。

みなし弁済が認められる場合は限られており、下記の条件をすべて満たしていなければなりません。
チェック 債権者が貸金業者として登録を受けていること!
チェック 債務者が利息であると「認識」して支払ったこと!
チェック 債務者が利息として「任意」に支払ったこと!
チェック 貸金業規正法第17条規定による法定書面の交付があること!
チェック 貸金業規正法第18条規定による受取証書の交付があること!
また、近年では貸金業者側の〝みなし弁済〟をそう簡単には認めないとする厳しい判決が下されていることから、業者の主張を鵜呑みにする必要はありませんので、業者が全く交渉に応じない場合には、弁護士等の法律専門家に依頼するなり、特定調停を利用するなどして、交渉に臨んでみる価値は十分にあります。

※ なお、貸金業法の改正(完全施行は平成22年6月18日~)により、現在はみなし弁済制度そのものが廃止されています。
みなし弁済を認めないとした主な判例
みなし弁済を適用するために必要な法定書面の要件は、厳格に解するべきであり、「貸付金額」「返済額・返済期日・返済回数」が正確に記載されておらず、「受領金額」の記載が誤っている書面については、要件を満たしていない。

【最高裁 平成18.1.24】


貸金業者が貸金の弁済を受ける前に振込用紙と一体となった貸金業法18条1項所定の事項が記載されている書面を債務者に交付し、債務者が同書面を利用して利息の払込みをしたとしても、同法43条1項の適用要件である同法18条1項所定の要件を具備した書面の交付があるということはできない。

【最高裁 平成16.2.20】


貸金業者との間の金銭消費貸借上の約定に基づく天引利息については、貸金業法43条1項の適用はない。

貸金業法43条1項の適用要件である債務者に交付すべき同法17条1項に規定する書面に該当するためには、当該書面に同項所定の事項のすべてが記載されていなければならない。

貸金業法43条1項の適用要件である同法18条1項所定の事項を記載した書面の債務者に対する交付は、弁済の直後に行わなければならない。
【最高裁 平成16.2.20】

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