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少額管財事件

少額管財事件の基礎知識program

少額管財事件とは…

自己破産の申立てをした者が支払不能状態(つまり、どうやっても借金を返すことができない)にあると裁判所が判断すると、破産手続開始の決定が下されますが、破産手続には大きく2つ同時廃止≠ニ管財事件≠ェあります。

破産管財人の仕事

同時廃止と違って管財事件として処理するのが妥当であると判断されると、破産管財人が選ばれ、破産者の財産を管理・処分する手続きに入りますが、この手続きはとても時間が掛かり、また費用もかかるため、債務者にとってはとても大きな負担となっていました。



※ 破産者に代わって財産を管理しながら、債権者への公正・公平な配当を行うのが破産管財人の仕事です。その主な職務としては @ 申立人と面談 A 破産者の資産状況や債務状況を調査 B めぼしい財産があればお金に換える C 未回収債権があれば取り立てる D 債権者が誰なのかを確定した上で債権者集会を招集する…など、また、その過程において、必要があれば訴訟を起こさなければならないこともあるため、ケースによってはとても時間が掛かります。

そこで、これらの負担を軽減することを目的とした手続きが少額管財事件≠ナす。



少額管財事件の特徴

そもそも、少額管財事件は破産法で規定された制度ではなく、あくまで破産法の範囲内で、できる限り手続の簡素化・迅速化を図ることにより、管財事件にかかる手間や費用に関する問題を軽減しようというのが狙いの制度です。

そのため、必ず運用しなければならないといった制度ではないため、裁判所によっては運用していないところもありますが、東京地裁で運用が開始(平成14年4月〜)されたこの制度は、その後、運用する地域も徐々に拡大しているようで、現在は他県(札幌、横浜、静岡、大阪…など)でも少額管財事件を利用できる裁判所が増えています。

※ 少額管財事件の少額≠ニは、破産者の借金総額が少ないという意味の少額ではなく、予納金が少なくて済むという意味が含まれているようです。

ただし、この少額管財事件を利用するには条件があり、弁護士が代理人となって自己破産の申立てをした場合に限るとされています。

したがって、債務者本人が申立てるのはもとより、弁護士ではなく司法書士に依頼した場合なども少額管財事件は利用できないようですが、東京地裁八王子支部などでは、少額管財事件になることもあるといった情報もみられるので、気になる方は管轄の裁判所に確認してください。


少額管財事件に移行する主なケース

冒頭でも説明したように、破産申立人に一定額の財産があるような場合には同時廃止というわけにはいかないため、管財事件として処理されますが、それらすべての管財事件が必ずしも長い時間と費用をかけてまで手続を行う事案であるとは限りません。

※ 同時廃止 … 債務者にめぼしい財産がないため、債権者へ配当することができないような場合は、破産手続開始の決定と同時に破産手続を終了させてしまうこと。

つまり、破産管財人が手続を進めても、債権者に分配するほどの財産がないとみなされた場合です。

そこで、少額管財事件を運用している裁判所では、主に下記に挙げるようなケースに該当すると少額管財事件として扱われる可能性も高いようです。

ただし、少額管財事件として扱うかどうかの判断基準は裁判所によって異なってくるので、必ずしもこれらのケースに当てはまるからと言って少額管財事件に移行するとは限りません。

チェック 換価対象となる一定額の財産がある
チェック 借入先が複数ある
チェック 免責不許可事由に該当する
チェック 家や土地などの不動産を取得している
チェック 給与差押などを止める必要がある
チェック 一部の債権者にだけ返済をしていた
チェック 個人事業を営んでいる

少額管財事件のメリット&デメリット

少額管財事件として処理される場合の主なメリット・デメリットは、次のとおりです。
少額管財事件の主なメリット

チェック通常の管財事件に比べると費用が安い!

管財事件となった場合、通常、予納金は最低でも50万円以上かかりますが、少額管財事件として処理された場合の破産予納金は東京地裁で原則20万円となります(予納金については分割払いを認めている裁判所もあります)。

チェック免責決定までの期間が短い!

少額管財事件は費用と手間を抑えることが目的の制度であり、同時廃止とほぼ同じ同じような処理で手続きが進行します。

少額管財事件の主なデメリット

チェック居住制限、通信の秘密など...

一定期間(破産手続開始の決定〜破産手続き終了まで)ではあるものの、破産申立人は居住制限や通信の秘密の制限(郵便物などは管財人の元に届けられる)を受けます。また、海外旅行や引っ越しを考えている方も、裁判所から事前の許可が必要です。

チェック財産管理処分権の喪失...

破産申立人にめぼしい財産がある場合は換金し、債権者へ平等に分配します。

チェック管財人との面接など...

通常、管財人として選任される者は弁護士なので、管財人である弁護士事務所に代理人弁護士と出向いたり、債権者集会が開かれる場合には出席しなければなりません。