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予納金
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予納金の基礎知識

自己破産の申立てを行った者は、破産手続き上、次のような費用が求められます。
① 収入印紙代(申立手数料)
② 郵便切手代(書類等の郵送料)
③ 予納金(官報広告費や破産管財人への報酬など)
いずれも裁判所に必ず納めなければならない費用ですが、①や②については、裁判所によって若干違いは出てくるものの、金額的には大したことはありません(数千円程度)。

一方、③の予納金については、破産者が同時廃止になるか、それとも管財事件になるかで納めるべき金額に大きな開きが出てきます。
破産手続開始の申立てをするときは、申立人は、破産手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。

【破産法 第22条より一部抜粋】
破産の申立て
破産申立人
選択矢印 換価できるような財産が特にない場合 矢印2
同時廃止
財産の換価や債権者への配当をすることなく、破産手続開始決定と同時に破産手続を終了させてしまうこと…
換価することのできる財産がある場合 矢印2
管財事件
破産管財人が選任され、債務者の財産を処分・換価し、債権者へ公平に分配していく…
破産申立人に換価できるようなめぼしい財産がなく、同時廃止事件として処理された場合の予納金は10,290円(東京地方裁判所の場合)と比較的良心的な金額ですが、管財事件として処理されると、予納金額は大幅にアップします。

また、法人の自己破産の場合は、原則として同時廃止を認めていません。

※ 事業規模や財産状況にもよりますが、個人事業主が自己破産をする場合も管財事件となるケースが多いようです。

そのため、法人破産においては、たとえ資産がなくとも裁判所により破産管財人が選任され管財事件として扱われますが、管財事件として処理される場合の予納金は負債総額によって変わってきます。

参考までに、東京地方裁判所の破産予納金基準額を示すと下記のようになります。
破産予納金の基準額:一覧表
負債総額 自然人 法人
5000万円未満 50万円 70万円
5000万円 ~ 1億円未満 80万円 100万円
1億円 ~ 5億円未満 150万円 200万円
5億円 ~ 10億円未満 250万円 300万円
10億円 ~ 50億円未満 400万円
50億円 ~ 100億円未満 500万円
100億円 ~ 700万円~
※ 少額管財事件は除く
東京地裁の予納金



少額管財事件へと移行した場合の予納金

先に個人事業主や法人破産などの場合は、同時廃止ではなく、原則、管財事件として処理されると説明しましたが、すべての管財事件が必ずしも長い時間と費用をかけてまで手続を行う事案であるとは限りません。

そこで、破産法の範囲内で、できる限り手続の簡素化・迅速化を図ることにより、管財事件にかかる手間や費用を軽減することを目的として始まった制度が〝少額管財事件〟です。

裁判所によっては少額管財事件を運用していないところもあるので、申立先の裁判所に確認が必要ですが、通常管財事件に比べて予納金が少なくて済むといった利点が挙げられます。

ただし、少額管財事件は、弁護士が代理人となって自己破産の申立てをした場合に限るといった条件があるようなので、別途、弁護士費用(報酬)が発生するという点も併せて覚えておきましょう。

参考までに、東京地方裁判所の破産予納金基準額を示すと下記のようになります。
少額管財事件(東京地方裁判所の場合)
法人 個人
・官報公告予納金:12,830円/1件
・引継予納金(破産管財人報酬):原則 200,000円
・官報公告予納金:16,090円
・引継予納金(破産管財人報酬):原則 200,000円
※ 会社の代表者が、個人破産と同時に法人破産を申立てた場合の引継予納金は20万円(法人20万円 + 個人20万円とはならない)


予納金の支払い方法について

官報公告費として裁判所に納めることになる予納金は、申立てたその日に支払うことが多いようですが、裁判所によっては、後日、支払うことになるケースもあるようです。

※ 同時廃止の場合は、裁判所から渡される納付書に必要事項を記入し、所定の窓口(受付)で支払えば終了。なお、破産申立てを郵送で行う場合の予納手続は、後日、行うことになります。

一方、管財事件として処理される場合の予納金(破産管財人への報酬など)は、破産申立て後、予納金額と振込先が指定されることが多いようなので、その指示に従って速やかに納めるようにしましょう。

※ 予納金額が高額過ぎて一括払いでは難しいという場合に配慮して、分割払いを認めている裁判所もあります。

借金が返せなくなったから自己破産の申立てをするのに、お金(予納金)がなければ破産ができないというのは、なんともおかしな話ですが、予納金を納めることができないと破産手続が停止されてしまうので、場合によっては親族や友人などに事情を話し、援助が受けられるような方法を考える必要がありそうです(破産予納金の費用を確保するために貸金業者から借りる行為は厳禁!)。
裁判所は、破産手続開始の申立てがあった場合において、破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、破産手続開始の決定をする。

一.破産手続の費用の予納がないとき(第二十三条第一項前段の規定によりその費用を仮に国庫から支弁する場合を除く。)…

【破産法 第30条より一部抜粋】